奥歯をインプラント治療する際の費用相場
一般的に、奥歯のインプラント1本の費用は30～45万円程度が相場です。
しかしインターネットで検索すると、10万円代からのインプラントを提供している医院もたくさん存在します。
少しでも安く治療を受けられるのであれば、とそうした格安治療を選んでしまう方も多いと思いますが、安いから、と気軽に治療を受けるのは少し待ってください。
そうした医院が相場に比べて費用が異常に安い理由はなんでしょうか。
技術力が低かったり、システムのグレードが低かったり、保証がなかったり、安全性や安心面で不安がありませんか。
考えていただきたいことは、インプラント治療は完全な『手術(オペ)』であるということ。
自由診療であるインプラントの料金設定は、クリニックの環境や医師の技術力、使っているインプラントシステムなどで変わってきます。
インプラントを取り扱うクリニックが増え、技術のない医師が施術を行うことで、歯に不具合が起きたり、わずか数年で抜け落ちて再手術、結果結局高くついてしまった……というケースも増えてきているのが現状。
費用だけでなく、医師の技術、使用される素材、クリニックの環境など、様々な面から比較して信頼できるかどうかを十分判断した上で、最終的な決定をするようにしましょう。
インプラント治療の一部に保険適用が認められた！
国が治療費の一部を負担し、決められた方法や材料を使用して、どこの病院へ行っても同じ治療が受けられるのが、保険診療。一方で、病気の治療ではない“プラスアルファの医療行為”は自由診療とされ、クリニック側が自由に価格を設定でき、施術費は完全患者負担です。
歯科治療には、保険診療と自由診療が両方あります。インプラントは長らく自由診療だったのですが、平成24年4月に、保険診療が認められました。
しかし、その条件は厳しく、一定の基準を満たした医療機関でしか保険診療が受けられません。保険の効くインプラント治療が受けられる医療機関の条件がこちら。
1. 歯科又は歯科口腔外科を標榜している保険医療機関であること
2. 当該診療科に係る5年以上の経験および当該療養の3年以上の経験を有する常勤の歯科医師が2名以上配置されていること
3. 病院であること
4. 当直体制が整備されていること
5. 医療機器保守管理及び医薬品に係る安全確保のための体制が整備されていること
3の『病院であること』とは、「ベッド20床以上の入院施設を持つ施設である」ということです。
つまりこの条件を満たすのは、それなりの規模の病院(大学病院など)ということになります。
街のクリニックや歯科医院では条件を満たすことができません。
さらに保険適用される条件はもうひとつあります。
それは症例です。
どんなインプラント治療でも保険が適用されるわけではなく、「腫瘍、顎骨骨髄炎、外傷等により広範囲な顎骨欠損または歯槽骨欠損症例」の場合のみなのです。
そのため歯周病や歯が割れる(歯根破折)などによる歯の喪失では、保険は適用されません。
一般的なインプラント治療を受ける方には多くの場合が当てはまらない条件のため、やはり自由診療での治療を選択せざるを得ない方がほとんどでしょう。
自由診療はクリニック側が治療の料金を自由に決定することができるため、クリニックによって値段が大きく違うことがあります。
そのため料金比較は病院を決定する前に行っておくといいでしょう。